お役所が建て替えをする時、必ず使われるキーワードが無駄づかい

でも、役所がきれいになることは、悪いことばかりではなく、時にはこんな憩いの場所を提供してくれたりもするのです。
 

ビル風が心地よい天空のオアシス 豊島憩いの森

2015年5月に移転した豊島区役所は、地上49階、地下3階、総事業費は約428億円という立派な建物。
そのテラス部分を利用して設置されているのが屋上庭園豊島の森です。

豊島の森

日本庭園の趣(おもむき)を持ち、4階から8階までがグリーンテラスとして、10階を豊島の森として開放されています。

高層ビル特有のビル風が、この場所では心地良くさえ感じるほどで、小さな小川まで作られているまさに癒しのスペース。

以前はサンシャイン60くらいしか高層ビルの無かった池袋も、最近ではタワーマンションが建ち並び、10階という高さでは眺めがいいとまでは言えませんが、それでも東京スカイツリーを眺めることができ、すぐ足元には雑司ヶ谷の緑が生い茂る、チョッとした天空庭園。
それが豊島の森です。

豊島の森からの眺め
 

日本中が注目。お金をかけずに役所を建て替える方法

これだけの建物を建設するのですから、豊島区も相当の出費をしたのではと思いがちですがさにあらず。

なんと、豊島区は一切税金を投入せずにこの新庁舎を手に入れたのです。
そのため、今では全国の自治体がその方法に注目し、新聞や雑誌でも特集が組まれたほど。

しかし、「将来消滅する自治体」という、なんとも不名誉な例として民間研究機関に使われるほどの、23区の中での独特の立ち位置だった豊島区が、どのようにしてこの新庁舎を建設したのでしょう。

豊島区は、人口は23区中で11番目(約29万人)ですが、人口密度では日本一という、なんとも暮らしやすそうなイメージは浮かんでこない自治体。
実際、池袋という日本有数の歓楽街を有しながらも、税収では下から5番目という財政規模で、これでは「将来消滅する自治体」と言われても仕方ないともいえるのが豊島区でした。

昔の庁舎も、地上4階建ての古い建物をつぎはぎで増設して仕事をこなしていたという代物で、そこに新庁舎建設ということを持ち出しても、定番の「税金の無駄使い」という声を抑えることができるはずもなく、2011年の区長選挙でも、新庁舎の建設問題は大きな争点となりました。

しかし、人は困難に直面するほど知恵が出るもののようで、それまでのお役所的箱モノ行政の発想を180度転換し、まったく費用をかけずにこの施設を建設するという離れワザを見せて、今では全国注目の的になるですから、物事はどう転ぶかわかりません。

豊島区が、この庁舎を出費ゼロで建設した手法自体はいたってシンプル。
高層ビルの上層階を分譲マンションとし、その販売収入を建設費に充てるという、ある面、民間では普通のビル建設を行っただけなのです。
 

新しい街は新しい発想から生まれる

庁舎という建物を自治体のシンボルとしてとらえ、単体で豪華なビルでなければいけないという、前時代的な発想を転換するだけで、これだけの庁舎を立てることができるのですから、発想の転換というのは凄いですね。

池袋という雑多な街は、ある面で豊島区の象徴でもありましたが、これからは、このきれいな庁舎が豊島区の象徴となって行くことでしょう。

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